2011年02月19日

「第4回「メディア・広報系研究」大学連携発表会」中継を見る

ツイッターのタイムラインで、「イケメンによるまちづくりの有効性」の発表があるぞっとの情報回覧。今話題の名古屋の武将隊を対象とした経済効果・研究発表を楽しみにしていたのですが、ちと見逃して悔しがっていたところ。同じ研究発表グループに、午後から他の研究チームの学生さんたちによる、鷲宮/豊郷の聖地巡礼ツーリーズムや地域活性化を目的としたご当地キャラクターによる街づくり効果についての研究発表もプログラムにあってそのまま中継を見入っていました。
なかなか面白く貴重な発表会でした。



興味を引いた発表の部分だけ要約
(文中括弧内は、当サイトの注訳)

【告知情報】
 ・第4回「メディア・広報系研究」大学連携発表会

 東海大による発表
☆とあるアニメの聖地巡礼(チイキカッセイ)

 アニメ聖地の研究対象地域が、埼玉・鷲宮と滋賀・豊郷を対象とした研究発表で、地域経済効果(FridayDynamite2010/10/19)の経済効果・記事引用から始まり、来訪者リピーター率と地域へのファンの貢献や観光地としての来訪観光客への情報発信の効果についてレポート発表がありました。
鷲宮のリピーター率が80%比べ、豊郷が30%とリピーター率が低いことが指摘され、どこに問題があるのかという部分についての掘り下げた内容はなかなか興味深いものがあります。
 ただ、数字で比較できない部分として個人的な所感ですが、鷲宮のケースは、元々埼玉県・県内有数の神社を中心とした場所が聖地となっていることで、普段から地元の継続的な来訪者(リピーター)があること、2007年から地元商店街や原作者・メディアが一丸となってバックアップしていることに比べ、滋賀県・豊郷町のケースは、アニメ作品放映終了後、モデルとなった校舎の一般見学ができるようになったこと。非公認聖地であること(原作・制作者側からの積極的な後押しがない)、これまでほとんど観光地としての来訪者が少なかったエリアであることを考えると、比較抽出するデータに、県外からというフィルターを入れたら、このリピーター率がどう変化するのかちょっと興味を覚えるところです。


☆ご当地キャラクターを地域活性につなげるにはどうしたらいいの
 近年注目を集めるご当地キャラクター(ゆるきゃら)の地域活性化の効果についての発表。サンプリングモデルに、岐阜・柳ヶ瀬商店街「やなな」の分析と他エリアキャラクターを通信簿形式での効果比較についての発表でした。
 まずは、ご当地キャラクターの費用対効果について(着ぐるみの活用)費用対効果が抜群であるという発表がありました。
 注訳:この部分は、私は個人的に否定します。
 デザインと着ぐるみ作るに当たり、どれぐらい費用が掛かっているのかという調査発表が今回無かったのがちょっと残念。着ぐるみ制作の費用、正規の業者に出すと50〜100万円かかるので、おいそれと気軽にご当地キャラの着ぐるみを作ることは結構大変なことだったりします。

 と、この部分の初期費用投資についてのことを省いて、ご当地キャラクターの商店街活動とグッズ展開やメディア露出についての研究がメインで発表されました。
 研究仮定として、どのようなキャラクター活動と展開が、地域住民よる協力化につながり、地域の協力が得られるのかという部分での調査サンプルとして、岐阜県・やななの5つの要素に注目。
 1.地域内での定期活動
  -最初は気味が悪いと地元で不評
 2.メディアへの露出
 -キャラクターを応援したくなる気持ちが強まる
 3.性格の良さとコミュニケーション
  -キャラクターの立ち振る舞い、積極的なネット上でのコミュニケーション
 4.弱さ・危うさ
  -つっこみやすい、助けたいというポイント
 5.お店の支援 グッズの置いてくれた
  >>商店街からの加盟協力とグッズ開発の提案
  3Kサンキュー運動が自発的に展開された。

 その結果、「やななルーム」や店舗独自の新メニューの開発につながり、運営側が自主的な地域からの活動の自由度が高かったことから、地域活性化につながる自発性が生まれたモデルケースとしてサンプル対象にしたことを説明。
 この後の比較サンプルについて、3エリアのキャラクターが登場し「やなな」と比較した5段階評価

認識度
 ・ハンバーグマー(静岡) ☆4
   地元認識度36% 交流あり あやうさPR 
  お店側からの提案アイデアの反映ができない 
  生み出された地域からの自発性の継続が難しくなる

 ・戸越銀次郎(東京)☆3
   地元認識度78% 積極的な商店街内のイベント活動
  他のキャラクターの招聘とコラボイベントも開催
  問題点:協力店舗へのキャラ来訪がない店舗もある

 ・やおいちゃん(京都・御園橋801)☆1.5
  地元認識度 0% 何も反応がない
  - 1割ほどしか効果がない

 「やなな」から読み取れる要素をもっているほど、アイドル効果から地域の応援する自発性と地域への振興基盤となることが分かった。
 質疑応答では、完成されたご当地マスコットキャラクターの版権利用方法と自由度の高い自発的な「やなな」と一概に比較できないのではとの意見も。

 この「ご当地キャラ」発表の面白いところは、キャラクターが人気を博し、経済効果が生まれていくという活動の過程で、豊郷での聖地巡礼ファンによる、地域の活性化に繋がった過程と似通ったところと、町おこしキャラクターがどういう活動をする過程で人気が出るのかという研究は、非常に貴重な調査発表だと強く感じる次第です。

 また、この手の研究が研究対象として取り上げることが許されなかった時代を過ごしてきた我々の世代から見ると、若い世代が積極的に自由度の高い次世代文化の調査研究ができる土壌がやっと育ってきたという部分でも心が躍る発表会だったと強く感じる次第です。

 雑誌によるJ-POPカルチャーの経済効果数値について、まだまだ検討の余地はあるとは思いますが、ある意味無視できない経済効果数値の認知により、これまで研究者が対象としていなかった、漫画・アニメやキャラクター活用による経済振興についてこれからまた、研究が深まることを大いに期待したい そんな1つの発表会が、ネットで公開されることに喜びを感じる次第です。

 海外からの留学・研究者の要望の中には、日本文化研究の対象として、漫画・アニメの進化と文化影響について研究をしたいとの要望は多々出ていますが、系統的な研究指導できる大学・研究機関が非常に少ないこと、指導教官が全国に数人しかいないことをよく取材先の海外研究者から愚痴を言われました。こういった研究発表をきっかけとして、もっと日本文化の1つとしてキャラクターの経済論研究が進むことを期待します。


osu_dnews at 14:23│TrackBack(0)この記事をクリップ!オタクなニュース 

トラックバックURL